敵を倒すにはまず敵を知れと言いますがゴキブリという生物のライフサイクルと季節ごとの行動パターンを理解することはやみくもに殺虫剤を撒くよりも遥かに効率的な駆除を可能にします。ゴキブリの一生は卵から始まり幼虫を経て成虫になる不完全変態というサイクルを辿ります。種類によって異なりますが一般的にクロゴキブリの場合卵から孵化するまでに約一ヶ月幼虫期間が数ヶ月から一年そして成虫になってからは半年から一年ほど生きます。このサイクルの中で彼らの行動は気温に大きく左右されます。春は目覚めと活動開始の時期であり越冬した幼虫や成虫が摂食を開始し成長スピードを上げます。この時期はまだ個体数が少なく動きも鈍いため駆除のゴールデンタイムです。梅雨から初夏にかけては繁殖期でありメスはフェロモンを出してオスを呼び寄せ交尾を行います。この時期に一匹のメスを逃すことは将来の数十匹を許すことと同義です。そして真夏は活動の最盛期であり気温の上昇とともに代謝が上がり夜な夜な活発に飛び回り餌を貪ります。この時期は防御よりも遭遇時の即時駆除が求められます。秋は越冬準備と次世代へのバトンタッチの時期であり食欲が増進し冬を越すための場所探しに奔走します。そして冬は耐え忍ぶ時期であり暖かい隙間でじっとエネルギーを保存します。このように彼らは季節ごとに明確な目的を持って行動しているため人間側もそれに合わせた対策を打つ必要があります。春と秋は毒餌剤で巣ごと叩くチャンスであり夏は侵入防止と直接駆除の時期冬は巣の撤去と卵の破壊の時期とカレンダーに合わせて戦術を変えるのです。またゴキブリは夜行性であり日中は暗くて狭い隙間に隠れているという習性も忘れてはいけません。昼間にゴキブリを見かけるような状況はすでにその家で個体数が飽和状態にあり隠れ場所がなくなっているという危険なサインです。彼らの弱点は寒さと乾燥そして天敵である人間の知恵です。季節ごとの彼らの生理的な欲求と弱点を理解し的確なタイミングで的確な罠を仕掛けることがゴキブリとの知恵比べに勝利するための唯一の方法なのです。