クロスズメバチとの不幸な遭遇を避けるためには、彼らがどのような場所を好んで巣を作るのか、その傾向を知っておくことが非常に重要です。彼らの好む場所を意識し、日頃から注意を払うことで、危険な巣の早期発見に繋がります。クロスズメバチが巣作りの場所を選ぶ際の絶対条件は、「既存の、閉鎖的な空間」であることです。彼らは、オオスズメバチのように、自ら積極的に土を掘って巣を作ることは、あまりありません。代わりに、自然界に存在する、あるいは、他の動物が作った、安全で、雨風をしのげる空洞を、巧みに見つけ出し、再利用するのです。具体的に、最も注意すべき場所をいくつか挙げていきましょう。まず、山林や雑木林、あるいは、手入れの行き届いていない庭などで、最も一般的なのが、「ネズミやモグラの古巣」です。地中に張り巡らされたこれらのトンネルは、クロスズメバチにとって、まさに理想的な物件です。また、「木の根元」にできた空洞や、「朽ちた切り株」の中も、格好の営巣場所となります。ハイキング中に、木の根元に腰を下ろしたり、切り株に座ったりする際は、周囲に蜂がいないか、注意が必要です。住宅地においては、「石垣の隙間」や、「コンクリートブロックの穴」なども、危険なポイントです。家の基礎部分の近くや、庭の仕切りなどで、このような隙間がある場合は、蜂が出入りしていないかを確認する習慣をつけましょう。さらに、意外な盲点となるのが、長期間放置された「植木鉢の中」や、庭の隅に積まれた「廃材や瓦礫の下」です。これらの場所も、暗くて、閉鎖的な空間を作り出し、クロスズメバチを誘引する原因となります。これらの場所に共通するのは、「普段、あまり人の目が届かず、手入れがされていない場所」であるということです。草刈りや、庭の片付けを行う際には、いきなり作業を始めるのではなく、まず、周囲の状況をよく観察し、蜂が特定の場所に出入りしていないかを確認する。その慎重な一手間が、思わぬ事故を防ぐための、最も効果的な予防策となるのです。
クロスズメバチの巣が作られやすい場所