鳩は、非常に優れた視覚を持っており、周囲の環境の変化に敏感です。この習性を利用し、彼らの視覚に訴えかけて、「ここは危険だぞ」というメッセージを送ることは、鳩対策の初期段階において、非常に有効な手段となります。まず、最も手軽で、古くから行われているのが、不要になった「CD」や、アルミホイルを短冊状に切ったものを、ベランダの手すりなどに吊るす方法です。これらが風で揺れることで、太陽光を不規則に乱反射させ、そのキラキラとした強い光を、鳩は嫌います。ただし、この方法は、鳩が「光るだけで、実害はない」と学習してしまうと、次第に効果が薄れていくという欠点があります。そのため、時々、吊るす場所を変えたり、種類を増やしたりといった、変化を加える工夫が必要です。次に、鳩の天敵を利用した対策です。鳩は、タカやフクロウ、カラスといった猛禽類を、本能的に恐れます。そのため、これらの鳥の形をした模型(カラスのダミーなど)や、大きな目の模様が描かれた「目玉風船」などを、鳩がよく来る場所に設置するのも、一定の威嚇効果が期待できます。これもまた、鳩が「あれは動かない、偽物だ」と学習するまでの、時間稼ぎとしての側面が強いですが、被害のごく初期であれば、十分に効果を発揮することがあります。より強力な視覚的刺激を与えるものとして、レーザーポインターのような、強い光線を照射する製品も存在しますが、これは、鳩の目にダメージを与えたり、近隣の住宅に光が入り込んだりするトラブルの原因となる可能性があるため、使用には細心の注意が必要です。これらの視覚を利用した対策は、鳩がまだその場所を、時々立ち寄る「休憩場所」として認識している段階で、最も効果を発揮します。巣作りを始めてしまうと、彼らの執着心は、視覚的な脅威を上回ってしまうことが多いため、より強力な対策へと、ステップアップする必要があるのです。