ジメジメとした不快な梅雨の季節湿気に悩まされるのは人間だけではありませんがゴキブリにとってはこの高温多湿な環境こそが地上の楽園となります。ゴキブリは乾燥に弱く水がなければ生きていけませんが逆に言えば湿度が七〇パーセントを超え気温が二五度前後になる梅雨時は彼らの代謝が最も活発になり繁殖行動がピークに達する時期なのです。この時期にゴキブリを放置することは爆弾の導火線に火をつけるようなものであり夏に向けての爆発的な個体数増加を許してしまうことになります。特に六月はゴキブリの結婚シーズンとも呼ばれメスは一生分の精子を蓄えるために交尾を行い次々と卵鞘を産み落とします。梅雨時の対策で最も重要なのは徹底的な水分の管理と除湿です。キッチンや風呂場の水滴を拭き取ることはもちろん結露しやすい窓際やカビが生えやすい押入れの中など家中の湿気スポットを点検しましょう。ゴキブリは一滴の水があれば三日間生き延びると言われています。シンクの中に洗い物を溜めたまま寝ることは彼らにとっての給水所を用意してあげているようなものです。就寝前には必ずシンクの水を拭き取り排水口には蓋をするか洗浄剤をかけておくことが鉄則です。また新聞紙や段ボールは湿気を吸いやすく保温性も高いためゴキブリの隠れ家兼産卵場所として大人気ですのでこれらを溜め込まずにこまめに処分することも物理的な環境改善として非常に有効です。さらに梅雨の晴れ間を狙って換気を行いエアコンのドライ機能や除湿機をフル活用して室内の湿度を五〇パーセント程度まで下げる努力をしましょう。乾燥した環境はゴキブリにとって過酷でありそれだけで繁殖のスピードを鈍らせることができます。またこの時期は食品が腐りやすくその腐敗臭が強力な誘引剤となってゴキブリを引き寄せます。生ゴミは水気をよく切って密閉容器に入れるか冷凍庫で保管するなどの工夫が必要です。アロマオイルの中でもミントやハッカの香りはゴキブリが嫌う忌避効果がありますが同時に防カビ効果も期待できるため梅雨時の掃除に取り入れるのも一石二鳥のアイデアです。雨音が響く夜壁の裏で静かにしかし確実に増殖している彼らの気配を感じ取り先手必勝で湿気対策を行うことこそが梅雨明けの爽快な夏を虫に怯えずに迎えるための必須条件なのです。